大谷翔平選手、彼の話は高校時代から始まります。
まさに異彩を放つタレントで、投手としてもバッターとしても優れた才能を発揮する「二刀流」スタイルで大い
に注目を集めた彼は、岩手県の花巻東高校を卒業後、2012年に北海道日本ハムファイターズへとドラフト1位で
入団しました。
なんとその入団直後の1年目から、見事に3勝と3本塁打を記録しました。
彼のキャリアは着実に成長の軌道をたどり、2014年には日本プロ野球界で史上初の偉業を達成しました。
2桁の勝利（11勝）と2桁の本塁打（10本塁打）を同一シーズン内で記録したのです。
素晴らしいパフォーマンスは持続し、2015年、つまり大谷選手の3年目のシーズンに、最多勝・最優秀防御率・
最多勝率という投手賞を全て独占し、3冠のタイトルを獲得しました。
2016年には、投手として10勝を挙げると同時に打者として22本塁打を放ち、チームも日本一に輝く大きな戦力
となりました。
その年、彼はパシフィック・リーグ最優秀選手（MVP）に輝き、さらには「投手」部門と「指名打者」部門の2
部門でベストナインを受賞し、これも史上初の快挙となりました。
そして、2017年のオフ。
大谷選手はポスティングシステムを使ってアメリカのロサンゼルス・エンゼルスに渡りました。
そしてその翌年、メジャーリーグでの彼の1年目のシーズンで、彼は投手として4勝を挙げ、打者として打
率.285、22本塁打という素晴らしい成績を収め、見事に新人王のタイトルを手に入れました。
2019年は、前の年の終わりに受けた右肘の側副靭帯再建術（通称：トミー・ジョン手術）の影響で、彼は打者と
してのみの活動を余儀なくされました。
しかし、その年も彼は偉業を成し遂げ、打率.286、18本塁打という成績を記録しました。
そして、2021年。
この年大谷選手は飛躍の一年を迎え、シーズン開幕から「二刀流」スタイルで活躍しました。
結果、投手として9勝、156個の奪三振、防御率は3.18という成績を達成。
さらに打者として46本塁打、100打点をマークし、アメリカン・リーグのMVPを見事、満票で獲得しました。
日本人選手がメジャーリーグでMVPを獲得するのは、2001年のイチロー選手（当時シアトル・マリナーズ）以
来、実に20年ぶりのことでした。
そしてその後、2022年のシーズンでは投手としての勝利を15を挙げ、2023年の春、彼は日本代表としてWBC
（ワールド・ベースボール・クラシック）に参加、チームを世界一に導く大きな貢献をしました。
その年のシーズンでも素晴らしい成績を残し、投手として10勝を挙げ、打者としての本塁打数は44本、これによ
り日本人としては初の本塁打王のタイトルを獲得しました。
そして再び、2度目となるMVP賞を満票で受賞したことで更なる注目を集めました。
さらに、そのオフにはフリーエージェントとなり、彼はロサンゼルス・ドジャースに移籍、結んだ契約は10年間
で総額7億ドル（当時のレートで約1015億円）、これはプロスポーツ史上最高額の契約となりました。
同じく投手であり野手でもある、大谷翔平選手に関しては、彼自身、プロに転向する際に、投手としてキャリア
を進めるべきか、それとも野手としてプレイを続けるべきか、明確に決めることができずにいたようです。
彼が所属していた北海道日本ハムファイターズでは、ドラフト会議に向けて、山田正雄GMを中心とする幹部間
での会議が頻繁に行われていました。
ちなみに、この山田正雄GM自身も、自身のプロキャリアの中で、投手と打者、両者の役割を経験してきた人物
なのです。
これらの会議において、大谷翔平選手が投手と打者のどちらに専念すべきかを、すぐさま決断することが難しい
という意見が共有され、その思考が球団内に広がることとなったのです。
彼との交渉において、ドラフト会議の後、日本ハム側からは、彼に対して二刀流という方針を示したのです。
しかし、すでに複数のメジャーリーグ球団からオファーを受けていた大谷翔平選手は、「あるいはそのような可
能性を考えていなかった」と驚き、懐疑的な反応を示したと言われています。
日本ハムへの入団会見において、大谷翔平選手は、「アメリカで長期にわたってプレイを続けるためには、最初
からメジャーリーグに進出するべきだ」という思考に変わっていったと明かし、さらに、「自分自身、二刀流と
いう道を進むという考えは最初はありませんでしたが、栗山監督から『まだ誰も歩んでいない道を打ち開いてほ
しい』という言葉をいただき、それが自分の決断を後押しました」と明言し、同時に二刀流への決意を公表しま
した。
そして、その決断は、「どちらに転んでも全力で取り組みたい」という彼の強い意志を反映しているものでし
た。
また、メジャーリーグに身を置く彼について、大谷を大絶賛するベン・バーランダー氏が、「大谷翔平が大好
き」であると公言し、その証拠として今年、2024年には、彼がロサンゼルス・ドジャースで驚異的な成績を収
め、また、ニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手と並ぶ活躍を見せたことを引き合いに出しま
した。
このような彼ら2人の比較が米メディアで取り上げられ、話題となりました。
ベン・バーランダー氏は、「フリッピン・バッツ」という米ポッドキャストの司会者でもあり、「大谷翔平のこ
とが大好き」という彼の個人的な情熱を背景に、「大谷こそが、メジャーリーグで最も優れた選手だ」と力強く
主張しました。
さらに、大谷翔平選手は、MLB史上初の「50-50」（50本塁打、50盗塁）の記録を更新するとともに、今シーズ
ンでは「54-59」（54本塁打、59盗塁）までその成績を伸ばし、打撃部門で2冠を達成するなど、彼の素晴らし
いパフォーマンスが続いていることを強調していました。
二年続けて、そして三度目の最優秀選手（MVP）の受賞が見込まれているショウヘイ選手は、今回見事なパフォ
ーマンスを見せており、その成績は54本のホームランと130点を打ち出し、リーグ最高の結果を収めました。
一方、スポーツ番組でバーランダー氏は自らの見解を述べる中で、もしメジャーリーグベースボールが最優秀選
手を一人に限って選ぶとすれば、ジャッジ選手よりショウヘイ選手のほうが有利だという立場を強く打ち出しま
した。
バーランダー氏は、「ショウヘイ選手がMVPを獲得するという事実に対して、私自身が説得力のある根拠を見つ
けることができ、それに異論はないと自信を持って言えます」と述べています。
それに対してジャッジ選手は、今シーズン打率.322、58本塁打、144打点という立派な成績を残しました。
彼自身が過去に打ち出した62本塁打の記録は今回は更新できなかったものの、シーズン終盤ではそれ以上のホー
ムランを連発したことで3冠の可能性も視野に入れていました。
打率、打点、OPS1.159は彼のキャリアで最高の成績となりました。
バーランダー氏はまた、「50-50」という成績の価値についても主張しています。
「歴史を作るということ、それは非常に重要なことです。
二人の選手が最高レベルでプレーをし、そしてその活躍がすごいものであったとして、歴史を作ることはその価
値を上げるのです。
野球の世界で見た場合、50-50という成績はショウヘイ選手が初めてとなります。
これは40-40クラブではありません、これが初めて達成されたことなんです」と述べ、その歴史的な偉業を称え
ました。